ペン字のコツ:サインのコツ

「こちらに氏名を記入して下さい」と紙を渡されたとき、読めればいいいや、とササッと書いていませんか?実は、サインを書くときにもちょっとしたコツを掴んで実践するだけで上手く書けるようになります。

今回は、サインのコツを紹介していきます。


サインをする際の心得・姿勢

まず、サインをする際には普段書くスピードの1.3倍くらいゆっくりと書くくせををつけてみてください。サインは時間をかけずに書かなければ、と思うかもしれません。しかし、少しくらい余計に時間がかかったとしてもほんの数秒の違いです。意識的にゆっくり書いてみましょう。


書く時の姿勢は、目と紙の距離を30センチくらい離して紙面を正面から見るようにして書きましょう。前かがみになって文字をのぞきこむようにして書くのは、文字全体が見えづらくなり、よくありません。

そしてもう一つ大切なのが持ち方です。手のひらにタマゴをひとつ軽く包むようにして握りましょう。握る位置は、ペン先から指2本分くらい上を親指と人さし指と中指で三方から支えるようにして下さい。

はやく書こうとしてギュッっとペンを握りすぎると、硬いとげとげとしい字になってしまいがちです。

このようにしてペンを持つと字を書くときに指がクッションの働きをしてなめらかな書き味が得られます。


サインの良い例・悪い例

「書は人なり」というように、手書きの文字にはその人の人柄がよく表われるといいます。クセをクセのまま出すよりも、押さえるべきポイントをしっかり押さえつつ、そこに自分の個性を加えていけるようにしましょう。


大事なポイントは、止める、はねる、はらう、曲げる、抜く、長い、短い、曲線、直線、など基本点画をきっちり分けて書くことです。基本点画同士が互いに引き立てあうように適度なメリハリをつけると美しく見えます。


実際に、サインの良い例と悪い例を見ていきましょう。


○ 良い例

× 悪い例



字の配置

サインを上手く書くには、字の配置も重要です。

名前の字数別きれいに見える空間の空け方

縦書きで枠がある場合は、まず枠にかからないように書くことを意識します。枠内に配置良く氏名を書くために、姓二文字・名二文字を基準として左のように考えると収まりよいでしょう。


※文字数が多く、枠の上下に余裕がない場合、少し字を平たくして書くと、堂々と見えます。上下にゆとりのある場合はそのまま正方形に字を書いて下さい。


※「総一郎」のように「一」がはさまれる場合「一」は狭めに、「一男」や「昭一」などの場合「一」は一文字分とった方が美しく収まるでしょう。


横書きの場合は、文字の中心をそろえるのが難しいので文字の重心をそろえる感じで書きましょう。特に、枠なしのアンダーラインにサインを書く場合は、縦に抜ける線がアンダーラインにかからないように書くと美しく見えます。

オリジナルサインの作り方

欧米では、サインはクレジットカードの署名や様々な書類で日本における印鑑と同じ役割を果たします。そのため、自分のサインを一つ決めたらいつもそれを同じように書けるように練習します。日本でもこれからますます署名による本人確認の必要性が高まってくるかもしれません。

自分だけのオリジナルサインをかっこよくデザインしてみましょう。


オリジナルサインのデザイン

文字には、それぞれが持つ性格があります。文字そのものの性格に逆らわず、前面に押し出したり、変化を与えてみて、自分の名前を個性豊かに作り上げてみることが大事です。


漢字でサインを作る場合は、どの書体選びも重要です。楷書体は読みやすい書体である一方、真似もされやすいことが懸念されます。文字を書く際のリズムは、指紋と同じくらい一人一人違うものです。個人の個性を表現するのなら、息の長い線が書ける行書や草書の方がふさわしいでしょう。

※横書きサインの場合は、これらをそのまま横にしてみて下さい。ただし、連綿(つづけ文字)は使用しない方がいいでしょう。 

※楷書、行書、草書などのしずく方は「三体字典」など参照するとよいでしょう。


オリジナルサインを作ったら、作ったサインを手元に置いて練習します。見本と同じ様に書けるようになるまで何度も練習を繰り返して自然にサインを書けるようになりましょう。

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